これからのインバウンド業界を考える

withコロナ、ポストコロナでインバウンド業界はどうなる?

【withコロナ】サステイナブル・ツーリズムが広がるか

今回は、興味深かったこちらの記事から。

www.yamatogokoro.jp

SDGsのゴールまであと10年ということで、今年は関連の会議など多く予定されていたが、それらもほぼキャンセルになっているようだ。

SDGsのバッジをつけている人は良く見かけるけど、実際何? という方は、こちらをご覧いただきたい。

(できる限り一次情報を貼る方針だが、外務省のページよりはるかにわかりやすいため、こちらにリンクした)

imacocollabo.or.jp

17項目の大きな目標があり、それぞれに詳細の目標が合計169項目定められていて、その中でも観光については、3つの大項目で明記されている。

そのため、このSDGsの動きは観光業界においても無視できない流れを作り出している。

unwto-ap.org

観光業界に携わるなら、ぜひ一度目を通しておいてほしい。

 

加えて、2019年に注目を集めたグレタ・トゥーンベリさんの環境問題への提言から生まれた「飛び恥」という言葉は、CO2排出量の多い飛行機ではなく、鉄道を使おうというムーブメントにつながるなど、特にヨーロッパを中心に、持続可能な観光への注目が集まっている。

そんな中、この新型コロナの影響で世界中で人の移動がストップし、大気汚染が著しく改善されたというニュースは世界各国で話題となった。

www.cnn.co.jp

www.sankeibiz.jp

もちろん、人の移動が止まっただけでなく、工場の稼働率も下がり、地球規模で人の活動が低下している影響ではあるが、そうなると、必然的に「きれいになった地球をまた汚染させたくない」という気持ちが働くのではないか。

その時に注目されるのが、「サステイナブル・ツーリズム」だ。(どうにもサステ「イ」ナブルに「イ」が入るのが違和感あるんだよなあ…)

冒頭にあげた記事でも取り上げられていたが、北欧は進んでいるなあ、というイメージがある。

日本は、とにかく訪日外国人の「数」を増やせ、という施策だったので、特に京都のオーバーツーリズムなどはここ数年ずっと問題視されているものの、大した施策をされておらず、アレックス・カーをはじめ、多くの人が提言を行っている。

 

その中で、ようやく持続可能な観光を目指す動きは、民間の旅行会社からも、時報自治体からも出てきている。

釜石市はDMCが主体となって、「釜石オープン・フィールド・ミュージアム構想」を柱とし、日本で初めて国際基準の認証機関の一つである、オランダのGreen Destinations のプログラムを取り入れ、話題となった。

visitkamaishi.jp

また、株式会社キャニオンズの取り組みで、みなかみの渓谷でキャニオニングなどのアクティビティを提供し、豊かな「自然」そのものを売り出した先駆けとして、事例によく取り上げられている。

canyons.jp

また、飛騨で美ら地球が提供する「SATOYAMA EXPERIENCE」も、マスツーリズムに疲弊した訪日観光客に絶大な人気を誇る。

satoyama-experience.com

 

冒頭の記事を引用する。

むしろ、そのような旅の重要性がより高まるのではないかとしています。今回のウイルスがこれほど急速に世界中に広がったことが、私たちが今日どれ程世界と繋がっているかを表しているからです。

世界は繋がっています。持続可能な世界を目指すことは、一部の意識の高い人たちの運動ではありません。美しい世界が持続していかなければ、それを見に行く観光旅行は消滅してしまうのです。新しい世界と新しい観光を作るために、事業者は具体的に何をすればいいのか、消費者は何を選べばいいのかを示す基準が必要となるでしょう。

個人的にもこの考えには100%同意したい。
少なくとも、この数年は以前のように人が気軽に世界を旅しない時期が来るだろうし、限られた選択肢の中で、それでも旅行する人は、より「考える人」になるのではないか。いやな言葉だが、「意識の高い」旅行者が増えるようになると考えている。

 

団体バスで観光スポットを訪れて写真を撮って次のスポットへ、というスタイルのツアーは過去のものになるのだろうか。それとも、アジアを中心にまたそういう旅行スタイルが復活してくるのだろうか。

中長期的なトレンドを追っていきたいと思う。